杏色の空
私(杏)と長女3歳(小桃)次女0歳(小梅)の読書・雑記になります。

霖雨

タイトル:霖雨
作者:葉室 麟
出版社:PHP研究所
MY HIT:●●○○○

感想


広瀬淡窓とその弟久兵衛を軸とした小説。

新聞の下のほうにある広告で目にとめてからいつか読んでみたいなぁと思ってたので、図書館の棚にあったのを迷わずゲットしました。

読後感想としては・・・・。

広瀬淡窓っていう人物の魅力が、とてもとても小説向きでないこと。(;д;)

雨が止むのを待つがごとく、ひたすらお上の嫌がらせともいえる干渉に耐え忍び、塾を経営していくのだが、実務は弟久兵衛に依存しっぱなし。

ーー正直、日常の生活に追われる身としては、「いい身分だなぁ~」と思ってしまう。

すぐ結果が求められる世の中にあって、すぐに結果を出さない教育というものに携わる人物を主人公に据えるのって難しいよなぁ。
それでも、この人を描きたいと思った作者。
それはやはり世の中に小説を通して何か言いたいことがあるのだろうなぁ、と思う。

しかし、しかしだ。

やっぱりこの人を主人公にするのはどうかなぁ、と首をひねってしまう。
まだ世事にあくせくする久兵衛を主人公にして、スパイスとして広瀬淡窓を登場させるほうがよくなかったか?
そのほうが、読者の共感を得やすいように思えるけど・・。
主人公にするならするで、霖雨に耐えて雨があがるところで小説を終わらせるのでなくて、上がったあともしっかり書いてほしい。
耐えるところだけ書かれても、言いたいことはわかるけど、胸に熱いものが迫ってこない・・・。

そして塾に現れたわけあり男女の書き方も??
あきらかに物語に色を付けるためだけに加えられた感がいっぱい・・。
未熟な男に、過去があるいい女。
しかも女は、実に主人公達にとって都合よく動いて、最後は男をつれて消えてしまう。
正直この女性には何にも共感しなかった・・。

うぅ~じつに「おしい」。
あともうひと手間、一ひねりですごく感動できそうだったのに・・・!

では、なにも心に引っかからなかったかというとそんなことはないんですよ。

まず、文中によくでててくる漢詩は、分かりやすく解説もしてあって凄くよかった。

そして、次の一文。

ひとは生まれながらにして徳を備えてるいるわけではない、と淡窓は考えた。様々にかけたところがあるのを埋めるように、目指すものに向かって努力を怠りなく続けることができて、初めて人は真価を発揮できる。その努力を粘り強く見守ることが、人を教えるということだと思い至った。

これには、感動した。
ここが作者の一番言いたかったところなのだろうなぁと、私は勝手に解釈しました。

子供を育てながら、自分を育てながら、必要なのは・・・・、ズバリ、「根気」だと私は思う。
あと、明るさ。(*^_^*)

教育者は親ではないけど、見守る=教える、ってことを分かってる人のことをいうのかな。
理想論かもしれないけど、大切なことだと思います。

まぁ、徒然にいろいろ書きましたが、葉室麟さんの本、また他のものも読んでみたいと思います。

何かを伝えようとする気概を感じることのできる一冊でした。





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